平成31年三月場所(2019年春場所)

会場:エディオンアリーナ大阪 大相撲

場所前のトピック

  • 大関・栃ノ心、カド番
  • 関脇・貴景勝、大関昇進へ挑戦

初日   3/10(日)

注目力士は、直近2場所で24勝を挙げている関脇・貴景勝。
大関昇進の目安まであと9勝だが、二桁以上の勝ち星は欲しい。あと一歩のところで届かなかった先場所の悔しさを晴らし、平成最後の本場所で大関の座を掴み取れるか。

貴景勝 ー 妙義龍

貴景勝は頭から低く当たって妙義龍の上体を起こし、一方的に押し出し。

初日から完勝の貴景勝は、大関取りへ向けて幸先の良いスタートを切った。

栃ノ心 ー 大栄翔

栃ノ心は右をのぞかせるが、大栄翔が左から押っ付けて充分に差させない。
窮屈になった栃ノ心だが、左で叩いていなしながら、続けざまに右から突き落とし。

栃ノ心はカド番脱出に向けて白星発進。

遠藤 ー 豪栄道

左から張って二本のぞかせた豪栄道は、遠藤に何もさせずに一気に押し出し。

そろそろ地元での優勝が欲しい豪栄道は、初日白星。

髙安 ー 魁聖

体当たりでいく髙安だが魁聖に圧力負けし、魁聖の右押っ付けを受けて半身になりながら後退する。
それでも大関は左四つに組んで下手を引くと、魁聖の下手を切りながら前へ出て寄り切り。

髙安も勝って、3大関安泰。

御嶽海 ー 鶴竜

頭で当たり合い、突っ張る両者。御嶽海は右から絞り、差す動きも見せながら鶴竜の突っ張りを凌ぐ。
攻めきれなかった横綱が叩いて左へいなすと、向き直った御嶽海が右から突き落としていなし返す。
一回転して残った鶴竜だが、御嶽海が横について押し込んでいき、最後は背中を向けて送り出し。

休場明けの鶴竜は、平成29年夏場所以来の初日黒星スタート。御嶽海は九州場所から横綱戦4連勝。

白鵬 ー 北勝富士

右差しを狙う白鵬に対して、北勝富士は左にズレながら当たって左押っ付け、右喉輪の体勢。
横綱は相手の右腕を払い気味に突き落として、北勝富士を土俵に這わせた。

同じく休場明けの白鵬だが、こちらは白星発進。

中日まで   〜3/17(日)

8戦全勝は、白鵬ただ一人。
一敗で鶴竜、髙安、豪栄道、逸ノ城、碧山の5人が追いかける。

単独先頭の白鵬だが、立合いでガチッと組み止める相撲は3日目の魁聖戦のみ。6日目の錦木戦こそ流れの中で両差しになって寄り切ったが、それ以外は全て離れての決着。中日の栃煌山戦では後ろにつかれ、なんとか右を抱えて小手投げで窮地を脱したが、全体的に相撲内容はいまひとつ。

鶴竜も初日の黒星の後に7連勝と、星数は立て直してきた。しかしまともに引く癖を多発しており、勝負が決した後に苦笑いを浮かべる場面も多い。5日目から7日目までの3日間は叩き込みで星を拾ってきたが、中日の北勝富士戦は前に出て押し切った。

髙安は3日目、豪栄道は6日目に共に大栄翔に敗れたが、その1敗で収めて後半戦へ。

貴景勝は6勝2敗。3日目に御嶽海、5日目に先場所の覇者である玉鷲に敗れたが、威力のある突き押しで一気に相手を持っていく相撲も多く、大関当確まであと4勝。

カド番の栃ノ心は、中日に7連勝中の逸ノ城に土をつけるなどここまで5勝3敗。

9日目   3/18(月)

逸ノ城 ー 豪栄道

右四つに組み渡り、先に上手を引いたのは逸ノ城。豪栄道は左を巻き替えに行くが、逸ノ城は右から首を巻いて上手投げで振りながら、再度右四つに。
豪栄道は下手投げを打ちながら、左前廻しを引いて両差しに。大関が引き付けて出ようとしたが、逸ノ城が体を開いて右から小手投げ。

場内がため息の中、一敗を守ったのは逸ノ城。豪栄道は二敗へ後退。

栃煌山 ー 鶴竜

左のハズ押しで栃煌山を起こした鶴竜。横綱は栃煌山の引きについて行き、押し出し。

2日連続で万全な相撲を取った鶴竜も一敗をキープ。

白鵬 ー 御嶽海

右の張り差しから、左四つ右上手の白鵬。御嶽海が右を巻き替えに来たところを、横綱は逃さずに前へ出て寄り切り。

今場所一番良い相撲を取った白鵬は、先場所の借りを返して9連勝。

先頭は全勝で白鵬。一敗でもう一人の横綱・鶴竜と髙安、逸ノ城、碧山の4人となった。

10日目   3/19(火)

髙安 ー 逸ノ城

髙安は体当たりで行くが、逸ノ城は突き放して右四つに。先に右下手、左上手を取った大関が引き付けながら前へ寄るが、逸ノ城が体を開いて左からの突き落とし。

逸ノ城は連日一敗同士の大関戦を制して、9勝1敗。髙安は2敗目を喫した。

白鵬 ー 玉鷲

右からかち上げて、左を差した白鵬。玉鷲は右から小手に振ると、白鵬は泳いでバランスを崩す。
玉鷲は後ろについて絶好のチャンスだったが、横綱が反応良く振り向いて、右からの突き落とし。

白鵬はヒヤリとする場面はあったが、連日のリベンジ達成で10戦全勝。

貴景勝 ー 鶴竜

頭で当たって、互角に突っ張り合う両者。貴景勝が低い体勢から当たって突き放すと、鶴竜は後退。
横綱は引いて右に回り込もうとするが、右足が流れて体制を崩し、そこを貴景勝が引き落とし。

貴景勝は大関昇進に向けて大きな白星を手にして8勝2敗。鶴竜は痛恨の2敗目。

依然白鵬の単独トップは変わらず。
一敗は逸ノ城、碧山の平幕2人。二敗で鶴竜、髙安、豪栄道、貴景勝、琴奨菊の5人が並ぶ。

11日目   3/20(水)

碧山 ー 逸ノ城

一敗同士の取組。

碧山は突っ張るが、逸ノ城は下から跳ね上げながら前へ攻める。逸ノ城が左の喉輪で突き起こし、続けて右から突き落として碧山は横転。

一敗を死守したのは、圧力で勝った逸ノ城。

玉鷲 ー 鶴竜

踏み込んで当たり勝ちしたのは鶴竜。玉鷲の突きを受けて後退するが、横綱は自ら前へ倒れながら引き落とし。

物言いがついたが、玉鷲の右手の方が、鶴竜の右手よりも早く付いており、軍配通り鶴竜の勝ち。

鶴竜は連敗はせず、なんとか二敗を守った。

白鵬 ー 貴景勝

右からかち上げて貴景勝の出足を止めた白鵬。左で張り、叩きながら貴景勝の当たりを逃がす。貴景勝も相手を見て体勢を戻すが、横綱は右から張って叩き込み、再度貴景勝の突き押しをかわす。
それでも貴景勝は押し込んでいったが、白鵬が右四つ左上手に組み止めて、上手投げ。

白鵬は先場所敗れた3人相手に3連勝し、無傷の11連勝。貴景勝は白鵬の壁を越えられず、8勝3敗。

白鵬が全勝を守り、単独トップは譲らず。
一敗は直接対決を制した逸ノ城ただ一人。二敗で鶴竜、髙安、豪栄道ら5人。

12日目   3/21(木)

朝乃山 ー 逸ノ城

逸ノ城は立合いで上から左上手を取り、そのまま振り回して上手投げ。

逸ノ城は力強い相撲を取って、11勝目をマーク。

貴景勝 ー 豪栄道

豪栄道は貴景勝よりも低く当たって、押し込む。大関が頭を押さえつけると、貴景勝は足がついていかず、叩き込み。

豪栄道は二桁に乗せる10勝目。貴景勝は8勝4敗となり、大関に向けて残り3日で2勝が必要。

白鵬 ー 栃ノ心

右四つに組み、左上手を引いた両者。栃ノ心の上手を切って左上手から振り回し、再度左四つに。
横綱は左上手を引き付けてながら右下手も引いて、寄り切り。

白鵬は完璧な四つ相撲を取って、全勝を守った。

髙安 ー 鶴竜

先に右を差し込んだ鶴竜だが、髙安は右を差しながら前へ圧力をかける。
右を差した大関は左上手を引き、そのまま振りながら上手投げを打って、横綱を裏返し。

二敗で残ったのは髙安。鶴竜は3敗目を喫して優勝争いから大きく後退。

全勝で白鵬。星の差1つの一敗で追いかける逸ノ城。
直接対決が組まれる見込みはないため、逸ノ城に自力優勝の芽は無い。白鵬が一歩リード。

13日目   3/22(金)

御嶽海 ー 逸ノ城

逸ノ城は左で張って押し込み、右から頭を押さえて叩き込み。

逸ノ城は12勝1敗となり、逆転優勝に望みを繋げる。

髙安 ー 貴景勝

立合いから低く当たって押し込んだ貴景勝。勢いそのままに上体が浮いた髙安を突っ張って押し出し。

貴景勝は大関を圧倒して9勝目を挙げ、念願の大関昇進に大手。髙安は3敗目。

白鵬 ー 豪栄道

左前廻しを狙った豪栄道だが、引けずに離れる展開へ。白鵬は左右から張って、叩きを見せながら左四つ右上手の格好に。
横綱は前に寄り立て、一度は上手が切れるものの再度引き直して寄り切り。

白鵬は逆四つながらも白星を挙げて、無傷の13連勝。豪栄道は3敗目となり、優勝争いから脱落。

白鵬が全勝を守ったため、三敗勢は優勝の可能性が消えた。
二敗力士はいないため、賜杯レースは白鵬と逸ノ城の2人に絞られた。

明日逸ノ城が敗れ、白鵬が勝った場合、その時点で白鵬の優勝が決まる。

14日目   3/23(土)

貴景勝 ー 逸ノ城

大関を手中にするのか。それとも、優勝争いを千秋楽に持ち越させるのか。

立合いで頭からぶちかますのではなく、両手突きを選択した貴景勝。相手に圧力を伝えられず、逸ノ城は右から頭を押さえつけて叩き込み。

逸ノ城は13勝目をマークし、今日の優勝決定の可能性はなくなった。貴景勝は9勝5敗となり、千秋楽に大関昇進をかけることに。

白鵬 ー 髙安

白鵬は右から張って両差しになり、万全の体勢。髙安は右上手を引くが、横綱が左肘を張って上手を切り、体を預けて寄り倒し。

白鵬は全勝を守って、単独トップのまま明日千秋楽を迎える。髙安は10勝4敗。

白鵬と逸ノ城、星の差1つは変わらず千秋楽へ。

千秋楽   3/24(日)

大栄翔 ー 逸ノ城

逸ノ城が負ければ、その場で白鵬の優勝が決まる一番。

左から張って大栄翔を横向きにした逸ノ城。叩く動きを見せた逸ノ城だが、右からかち上げながら圧力をかける。
大栄翔が攻め返そうとしたタイミングで、逸ノ城は右から頭を押さえつけ、左からも引いて叩き込み。

逸ノ城は自己最多となる14勝目を挙げて、結びの一番の結果を待つことに。

栃ノ心 ー 貴景勝

カド番の栃ノ心は7勝7敗。9勝5敗の貴景勝は大関昇進まであと1勝。
事実上の大関入れ替え戦。

貴景勝は立合いでぶちかまし、栃ノ心を後退させる。捕まえようとする栃ノ心だが、貴景勝は突っ張って押し込み、最後は左がハズにかかって押し出し。

貴景勝は会心の相撲で10勝目を挙げ、大関昇進を決めた。栃ノ心は負け越しとなり、5場所務めた大関から陥落。

白鵬 ー 鶴竜

白鵬が勝てば3場所ぶりの全勝優勝。敗れれば逸ノ城との決定戦。
横綱同士、そして平成最後の一番。

右四つになり、先に左前廻しを引いた鶴竜が前に攻める。白鵬は右から掬って左を巻き替えて両差しになるが、鶴竜も直ぐに左を巻き替え直して左四つに組み、白鵬はそのタイミングで右上手を引く。
今度は鶴竜が右を巻き替えて両差しになり前へ出るが、白鵬も右上手から振って右を巻き替え直し、両者右四つ左上手のがっぷりに。
様子を窺い合う中、白鵬が右肘を張って上手を切りながら土俵際まで寄り立てるが、鶴竜は上手を放さずに凌いで、土俵中央まで戻す。
鶴竜は体勢を低くして引き付けながら前へ攻めるが、白鵬がその力を利用して右から渾身の下手投げ。

平成で数々の大記録を打ち立てた横綱・白鵬が熱戦を制して、平成ラストの場所を全勝優勝で締めくくった。

総括

優勝】 横綱・白鵬 翔(42回目)

白鵬が15戦全勝で、3場所ぶり42回目の優勝。
全勝優勝は15回目。 春場所での優勝は8回目。

【三賞】  

 《技能賞
  1横綱2大関(10日目:鶴竜、13日目:髙安、千秋楽:栃ノ心)を倒した貴景勝(2回目)
 《殊勲賞
  2大関(9日目:豪栄道、10日目:髙安)を倒し、14勝を挙げた逸ノ城(2回目)
 《敢闘賞
  12勝を挙げた碧山(3回目)

なお理事会における満場一致の決定により、直近3場所で34勝を挙げた関脇・貴景勝が大関へ再昇進。
伝達式での口上は、「大関の名に恥じぬよう、武士道精神を重んじ、感謝の気持ちと思いやりを忘れず相撲道に精進してまいります」

来場所は、
大関から陥落した栃ノ心大関復帰を狙う

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