場所前のトピック
- 関脇・栃ノ心、大関復帰を狙う
初日 5/12(日)
横綱・白鵬は先場所千秋楽で負傷した右腕が回復せず、全休。
千代大龍 ー 栃ノ心
千代大龍は右の喉輪で突き放す。その後も突っ張る千代大龍だが、栃ノ心がかいくぐって右を差す。
組み止めた栃ノ心は左も差して両下手を引き、吊りもみせながら寄り切り。
栃ノ心は大関復帰ラインの10勝を目指して、まずは白星。
貴景勝 ー 遠藤
貴景勝は立合いで遠藤を押し込み、その後も低く体勢を落として突き起こしながら、遠藤に何もさせずに押し出し。
新大関の貴景勝は、堂々の突き押し相撲で大関として初白星。
琴奨菊 ー 髙安
立合いで左四つになり、がぶって出る琴奨菊。上体が浮いた髙安は左下手を引くも残せずに押し出し。
髙安は黒星スタート。
豪栄道 ー 北勝富士
左から張って北勝富士の出足を止めた豪栄道。右を差すと相手の引きについて行き、寄り切り。
豪栄道は勝ち、2大関が初日白星。
御嶽海 ー 鶴竜
頭から当たり、左から踏み込んで押し込む鶴竜。左ハズ押しで御嶽海を浮かせ、突っ張って押し出し。
鶴竜は先場所落とした初日を白星で発進。
中日まで 〜5/19(日)
新大関・貴景勝は5日目の御嶽海戦で右膝を負傷し、7日目まで休場。
中日に再出場するも、碧山の叩き込みに力なく敗れて3勝3敗2休。
全勝力士はおらず、先頭は一敗で鶴竜、栃ノ心、朝乃山の3人。二敗で平幕の4人が並ぶ。
鶴竜は立合いの踏み込みが鋭く、そこから押し込んで有利に進めている。6日目の大栄翔戦こそまともに引いて叩きこんだが、一気に押し出す相撲や四つに組んで前へ攻める相撲で初日から7連勝。しかし中日の玉鷲戦では立合いの当たりがズレてしまい、相手の右ハズ押しで宙に浮かされて押し出された。
栃ノ心は3日目の隠岐の海戦こそ左四つになったが、それ以外は全て右四つ左上手に組んで盤石な相撲を取り、鶴竜同様初日から7個白星を並べた。ただ中日は遠藤に右前廻しを引かれ、左を巻き替えようとしたタイミングで上手出し投げに屈し、初黒星。大関復帰まであと3勝とし、上々の前半戦。
9日目 5/20(月)
大関・貴景勝が再休場。再出場の見込みはなく、来場所はいきなりカド番を迎える。
対戦相手の栃ノ心は不戦勝で8勝1敗となり、勝ち越しを決めた。
隠岐の海 ー 鶴竜
左前廻しを狙った鶴竜。廻しは引けずとも左を差し、右から挟み付けて隠岐の海に充分差させず前へ出て寄り切り。
鶴竜は先日の敗戦を引きずらずに8勝1敗。
一敗勢は3人変わらず、二敗は炎鵬と琴恵光の2人に。
11日目 5/22(水)
鶴竜、栃ノ心、朝乃山共に9勝1敗として迎えた11日目。
佐田の海 ー 朝乃山
立合いで右を差した朝乃山が、休まずに前へ出て寄り切り。
朝乃山は二桁に乗せる10勝目を挙げ、平幕ながら同じ一敗の上位2人にピタリと並走。
阿炎 ー 栃ノ心
両手突きで突き起こす阿炎に対して、栃ノ心は左をハズにあてがいに行く。
阿炎は両腕を叩き込んでいなすと、栃ノ心はついて行けずに勢いよく土俵下へ。
栃ノ心は二敗に後退。今日の大関復帰決定はならず。
妙義龍 ー 鶴竜
鶴竜は突き押しで攻め込むが、妙義龍も左右の押っ付けを交えて凌ぐ。
妙義龍が下から潜り込もうとすると、横綱はまともに引いて後退。最後は肩透かしにいったが決まらず、ついて行った妙義龍が押し出し。
鶴竜は通算11勝8敗と苦戦している相手に悪癖が出てしまって2敗目。妙義龍は鶴竜から2個目の金星。
一敗は平幕の朝乃山ただ一人となり、優勝争いの単独先頭に立った。
二敗で共に敗れた鶴竜、栃ノ心。三敗で琴恵光。
12日目 5/23(木)
玉鷲 ー 朝乃山
右を差し込みにいった朝乃山だが、玉鷲の左押っ付け、右喉輪で突き放される。
玉鷲は仰け反った相手を押し込み、朝乃山は右を差すが最後まで押し切られて、押し出し。
朝乃山は二敗に後退。再び3人が賜杯レースの先頭に並んだ。
明生 ー 栃ノ心
左を差した明生が、一気に前へ寄り立てて栃ノ心に何もさせずに寄り切り。
栃ノ心は3敗目を喫し、再度先頭集団から後退。大関復帰も明日以降に持ち越し。
竜電 ー 鶴竜
右上手を引いた鶴竜。竜電は二本のぞかせるが、横綱は左を巻き替えながら上手で振って体を入れ替え、そのまま寄り切り。
鶴竜は連敗はせずに二敗を堅守。
優勝争いの先頭は、二敗で鶴竜、朝乃山の2人。
三敗は栃ノ心ただ一人。四敗は豪栄道ら6人。
13日目 5/24(金)
朝乃山 ー 栃ノ心
低く踏み込んで右を差し込んだ朝乃山。右から腕を返しながら前に出たが、栃ノ心は後退しながらも左で首を巻いて、右から掬い投げを打つ。
朝乃山はバランスを崩して前のめりになり、栃ノ心は右足が俵に乗りながらも、右に回り込んで掬い投げを打ち続けて土俵に這わせた。
軍配は栃ノ心に上がったが、約6分間に渡る協議の結果、栃ノ心の右足が俵に乗った際にかかとが出ていたとの判定を下し、軍配差し違えで朝乃山の勝ち。決まり手は寄り切り。
朝乃山は二敗を守り、依然先頭のまま残り2日へ。判定に納得がいかず憮然とした栃ノ心は、大関復帰に王手をかけてからよもやの3連敗。
髙安 ー 鶴竜
左前廻しを狙った鶴竜だが、取り損ねてしまう。髙安は右からのハズ押しで相手の左を封じるが、鶴竜は振りほどいて突っ張り合いに。
押し込んだ横綱は頭を下げて突っ込んで行くが、髙安が右に叩き込んでかわすと、俵に詰まった鶴竜は残せず押し出し。
鶴竜は通算4連敗中の大関相手にまたも敗れて、痛恨の3敗目。髙安は8勝5敗で勝ち越し。
二敗をキープした朝乃山が、2日ぶりに単独先頭に立ち直した。三敗は鶴竜ただ一人。
明日朝乃山が勝ち、鶴竜が負けると、千秋楽を待たずに朝乃山の初優勝が決まる。
14日目 5/25(土)
豪栄道 ー 朝乃山
右四つに組み渡り、先に上手を引いたのは豪栄道。しかし、朝乃山は右下手を引いて左で押っ付けながら前へ攻め、左の上手もガッチリ。
豪栄道は上手から振って寄り立てるが、朝乃山が再度上手投げで体を入れ替えて寄り切り。
大関相手に堂々たる相撲で快勝の朝乃山は、12勝目。結びの一番で鶴竜が敗れれば、その時点で優勝が決定。
栃ノ心 ー 鶴竜
立合いで栃ノ心が変化。鶴竜はついていけず、叩き込み。
あっけない相撲ではあったが、鶴竜が敗れたため、この時点で朝乃山の優勝が決定。新元号令和の優勝第一号は朝乃山となった。
栃ノ心は10勝目を挙げて、来場所の大関返り咲きを決めた。
総括
【優勝】 西前頭8・朝乃山 英樹(初)
德勝龍が12勝1敗で、初優勝。 平幕優勝は8場所ぶり。
【三賞】
《技能賞》
1大関(11日目:豪栄道)を倒した竜電(2回目)
《殊勲賞》
朝乃山(初)
《敢闘賞》
1大関(12日目:髙安)を倒し、10勝を挙げた阿炎(2回目)
朝乃山(3回目)
新入幕で10勝を挙げた志摩ノ海(初)
来場所は、
大関・貴景勝、カド番。
10勝以上を挙げた栃ノ心、大関復帰。
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