令和元年十一月場所(2019年九州場所)

会場:福岡国際センター 大相撲

場所前のトピック

  • 大関・髙安、カド番
  • 関脇・栃ノ心、大関復帰を狙う

初日   11/10(日)

横綱・鶴竜は初日の朝稽古で腰痛を発症し、休場。初日の対戦相手だった新小結・朝乃山は不戦勝。

明生 ー 栃ノ心

差して争いの中で栃ノ心は引いて相手を呼び込み、明生が頭をつけて両下手の格好。
栃ノ心が肩越しに左上手を取って寄るが、明生の右からの下手捻りに横転。

10勝以上で大関復帰が叶う栃ノ心は、早くも初日に土。

貴景勝 ー 隠岐の海

両手突きで起こしにいった隠岐の海だが、貴景勝の鋭い踏み込みに弾き返される。
貴景勝は両ハズ押しで相手の状態を起こしながら押し出し。

先場所大関復帰を果たした貴景勝が、白星で再スタートを切った。

大栄翔 ー 髙安

突っ張り合いなるが、大栄翔の突っ張りを跳ね上げて押し込む髙安。
右、左と喉輪で突っ張って大栄翔を仰け反らせ、押し出し。

休場明けでカド番の髙安は、白星発進。

豪栄道 ー 遠藤

踏み込んで右の前褌を先に引いたのは遠藤。豪栄道が肩透かし気味に引いて廻しを切り、右四つに組む。
上手を先に引くのも遠藤。出し投げで若干呼び込むが、両廻しを引き付けて前に攻め、寄り倒し。

豪栄道は大関陣の中で唯一、初日黒星。

北勝富士 ー 白鵬

白鵬は右からかち上げて北勝富士の出足を止める。北勝富士の右足が流れたところを、横綱が叩き込み。

白鵬は先場所敗れた相手にリベンジを果たし、1勝目。

中日まで   〜11/17(日)

  • 大関・豪栄道は初日の取組で左足首を負傷し、2日目から休場。来場所はカド番となる。
  • 大関・髙安は3勝4敗で迎えた中日の土俵入り後に支度部屋で腰を負傷し、休場。再出場の見込みがないため、思わぬ形で大関陥落が決定。
  • 関脇・栃ノ心は4日目の宝富士戦で右脇腹を負傷し、5日目から休場。大関復帰は叶わなかった。

上位陣の休場が相次ぐ中で、先頭は一敗で白鵬。
次点の二敗で、朝乃山、輝の2人。

ただ1人一敗の白鵬は、2日目に大栄翔の突きをまともに引いて敗れたが、組み止めて勝つ相撲が多く、徐々に調子を上げてきている。3日目の朝乃山戦では左四つから掬い投げで新三役を転がし、7日目の宝富士戦では自ら左を差しながら右を固めて相手得意の型を許さずに叩き込んで白星を重ねた。また、中日の玉鷲戦では左張り差しで左上手を掴むと、一気に寄り切り。相撲内容が充実してきた。

朝乃山は新三役ながら、ここまで5勝2敗。3日目の白鵬戦、6日目の遠藤戦と差し負けた相撲で敗れてはいるが、2日目の貴景勝戦では前に攻めていき、左上手を取った瞬間に出し投げを打って土俵に這わせた。

大関・貴景勝は5勝3敗。

12日目   11/21(木)

一敗の白鵬、二敗の朝乃山は共に平幕相手に白星を重ね続け、11日目を終えて星の差1つは変わらず。

御嶽海 ー 朝乃山

左の廻しを掴んだ朝乃山だが、御嶽海に両差しを許して前に寄り立てられる。
御嶽海は密着しながら煽るように攻め、最後は朝乃山の左上手を切って寄り切り。

朝乃山は三役の常連に敗れて、3敗目。

遠藤 ー 白鵬

白鵬は立合いで左から張って、右肘で遠藤の顔面を捉えるかち上げ。
面食らって出血した遠藤は何も出来ず、横綱が右で張って叩き込み。

白鵬は立合いから激しい相撲で、一敗を守った。

唯一二敗だった朝乃山が敗れたため、先頭の白鵬と後続との差は2つに広がった。
三敗で朝乃山、正代が残っているが、白鵬の独走ムードに。
明日三敗の2人が敗れ、白鵬が勝てば早くも13日目に優勝が決まる。

13日目   11/22(金)

正代 ー 炎鵬

潜り込んで右から渡し込みにいった炎鵬だが、正代は肩越しに右上手を引いて左を差し込み、上から体重をかけて炎鵬の首を極める。
正代は両廻しを引き付けて、炎鵬を引っこ抜くように持ち上げて土俵際に追い込み、最後は寄り倒し。

正代が三敗を守ったため、今日の優勝決定はなくなった。

琴勇輝 ー 朝乃山

琴勇輝の突っ張りに対して、朝乃山は右から押っ付けて横を向かせる。朝乃山も突っ張って応戦し、そのまま押し出し。

朝乃山は新三役の場所で二桁に乗せる10勝目をマーク。

阿炎 ー 白鵬

阿炎は両手突きでいくが、白鵬は立合いで左からの張り差し。張り手は空振った横綱だが、左上手を引き、右も差して万全の型に。
振りほどこうとする阿炎をそのまま押し出して土俵の外へ。

白鵬は一敗を守り、後続との星の差2つは変わらず。

三敗の2人は共に勝ったが、白鵬も星を落とさなかったため優勝へ王手。
明日の取組で白鵬が勝てば、自身令和になって初めての優勝が決まる。

14日目   11/23(土)

妙義龍 ー 正代

左を押っ付けて妙義龍の左差しを防いだ正代だが、妙義龍はかいくぐって二本差しながら前へ走る。
なんとか左を固めて巻き替えたが、妙義龍の出足を止められずに寄り切り。

正代は4敗目となり、優勝の可能性は無くなった。

竜電 ー 朝乃山

朝乃山が負ければ、その時点で白鵬の優勝が決まる。

先に右を差したのは竜電。朝乃山は右をねじ込みながら前へ寄って出る。
左上手も引いた朝乃山だが、竜電が左前褌を引き付けて相手の右差しを許さずに攻め返す。
朝乃山は上手投げで振りながら体を入れ替えて、寄り切り。

朝乃山は11勝目を挙げて、三賞を決定づけた。

御嶽海 ー 白鵬

白鵬が勝てば優勝が決定する一番。

右から張って右上手、左下手を引いた白鵬はもう盤石。
引き付けて御嶽海を棒立ちにさせると、土俵中央で右から外掛けでひっくり返した。

白鵬は先場所の覇者相手に完勝し、千秋楽を待たずに優勝を決めた。
御嶽海は大関への足固めは疎か、6勝8敗で負け越し。

総括

優勝】 横綱・白鵬 翔(43回目)

白鵬が14戦1敗で、4場所ぶり43回目の優勝。 九州場所での優勝は9回目。

【三賞】  

 《技能賞
  新三役で11勝を挙げた朝乃山(初)
 殊勲賞
  2日目に白鵬を倒した大栄翔(初)
 敢闘賞
  11勝を挙げた正代(3回目)

来場所は、
大関から陥落した髙安大関復帰を狙う

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