令和2年三月場所(2020年春場所)

会場:エディオンアリーナ大阪 大相撲

場所前のトピック

  • 関脇・朝乃山、大関昇進に挑戦

初日   3/8(日)

感染症の影響により、無観客での開催となった春場所。

注目力士は、直近2場所で21勝を挙げている関脇・朝乃山。
大関昇進の目安となる33勝まで、あと12勝。大関取りを一発で決められるか。

朝乃山 ー 隠岐の海

立合いで右四つになり、左上手も引いた朝乃山。上手投げで崩して、右の腕を返しながら寄り切り。

朝乃山は大関取りに向けて幸先の良いスタートを切った。

貴景勝 ー 髙安

お互い突っ張り合いになるが、貴景勝が左から突き落としていなし、上体が浮いた髙安を押し出し。

貴景勝は相手の動きをよく見て白星発進。

大栄翔 ー 鶴竜

今場所は大関が貴景勝1人になったため、番付表に「横綱大関」と表記される横綱・鶴竜。

大栄翔の突っ張りを右からの押っ付けも交えながら跳ね上げて凌ぐ鶴竜。
しかし引く癖が出てしまい、引いたところを大栄翔に攻め込まれる。
押し込まれた横綱だが、叩きながら左へいなして俵に詰まった大栄翔を送り出し。

先場所途中休場した鶴竜は、悪い癖が出たものの1勝目。

白鵬 ー 遠藤

白鵬は右からの張り差しを選択。顔を背けて足が揃った遠藤を、上から押さえつけるように叩き込み。

白鵬は先場所仰向けにひっくり返された相手に白星。初日は上位安泰となった。

中日まで   〜3/15(日)

全勝は白鵬ただ一人。
一敗で隆の勝、碧山。二敗で鶴竜、朝乃山ら6人が並ぶ。

白鵬は3日目までは右張り差し、4,5日目は踏み込んで廻しを探り、6,7日目は左からの張り差しと、様々な立合いを駆使して無傷の全勝ターン。前半戦は四つに組み止める相撲が多いが、7日目の御嶽海戦では差し手争いの展開から相手の引きに乗じて押し出し、6連勝同士の対決を制した。

もうひとりの横綱鶴竜は、立合いで踏み込めてはいるものの、2日目の北勝富士戦ではいなされて送り倒され、7日目は先場所の覇者である徳勝龍の圧力を受け止めきれずに寄り切られてしまい、2敗を喫した。

大関取りがかかる朝乃山は、3日目の大栄翔戦こそ突っ張りで対抗したが、4日目までは右四つまたは両差しに組み止めて力強い相撲をとってきた。しかし、5日目の不戦勝を挟んで6日目から中日までの3日間はいずれも両差しを許してしまう。7日目の遠藤戦こそ小手投げで凌いだが、6日目の御嶽海戦では寄り切り、中日の豊山戦では掬い投げで敗れ、脇の甘さを露呈した。
後半は上位戦が残っているため、大関昇進のためにはこれ以上星を落とせない。

10日目   3/17(火)

朝乃山 ー 炎鵬

9日目の正代戦は右四つで寄り切り、自分の相撲を取りきった朝乃山は先場所敗れた炎鵬との一番。

両手突きをかいくぐって中に潜り込みに行く炎鵬。朝乃山は右の小手投げで振りほどき、炎鵬を正面において猛然と突っ張っていく。
下がりながら再度飛び込もうとする炎鵬だが、左足が土俵を割って押し出し。

朝乃山は小兵相手にも動じずに勝ち越しを決めた。

白鵬 ー 阿武咲

立合いで差しに来た白鵬を、阿武咲が右喉輪で突き起こす。
横綱も突っ張り返し、叩きを交えながら相手を見て攻める。右から突いて出ていったが、阿武咲が左へ回り込んでいなし、向き直った白鵬は頭を押さえつけるように叩き込む。
阿武咲は叩きに乗じて低く頭から突き刺さり、横綱に残す余裕を与えず一気に押し出し。

引いて墓穴を掘った白鵬が、今場所初黒星。阿武咲は白鵬から初金星。

鶴竜 ー 遠藤

踏み込んで左四つに組み、右上手も引いた鶴竜。右の外掛けで竜電の足場を脅かしながら、前へ出て寄り切り。

鶴竜は危なげない相撲で勝ち越し。

白鵬が敗れてため、勝ちっ放しの力士はいなくなった。
一敗で白鵬、碧山の2人が並ぶ。星の差1つの二敗で鶴竜、朝乃山、御嶽海、隆の勝の4人となった。

12日目   3/19(木)

11日目は一敗、二敗力士は全て勝ち、迎えた12日目。

碧山 ー 御嶽海

立合いの両手突きで一気に土俵際まで押し込んだ碧山。
御嶽海はなんとか土俵際で残って右へ回り込むが、碧山は右喉輪で相手を仰け反らせ、休まずに突っ張って押し出し。

威力のある重い突き押しが絶好調の碧山は11勝目で、首位を守った。

朝乃山 ー 隆の勝

押し相撲相手に右を差し込んだ朝乃山。
引いて距離を取りにいく隆の勝だが、下がる際に足が滑って転倒。決まり手は押し倒し。

相撲内容が良くなってきた朝乃山は二桁に乗せる10勝目。大関昇進の目安まであと2勝。

白鵬 ー 正代

白鵬は右から大きく張って正代を横に向かせると、再度右から強烈に張るが空振り。
正代は胸から当たって差し込もうとするが、白鵬がもう一発右で張って防ぐ。
頭を抑えて引いた横綱だったが、正代は頭を付けて前に攻め返す。引いた影響で体勢が崩れた白鵬は、正代に両差しを許してしまい、凌げずに寄り切り。

白鵬は雑な相撲をとってしまい、痛恨の2敗目。正代は丸3年ぶりに白鵬戦で勝利。

遠藤 ー 鶴竜

立合いで右上手を引いた鶴竜だが、遠藤に両前褌を引かれて前に攻め込まれる。
左の差し手を深くして寄る遠藤を、横綱が体を開いて相手の首を捻りながら右から上手投げ。

鶴竜は一瞬呼び込んでしまう場面もあったが、二敗をキープ。

白鵬が敗れたことで、西前頭13枚目の碧山が一敗を守って優勝争いの単独トップに立った。
二敗で白鵬、鶴竜の両横綱と、朝乃山の3人が追いかける。

13日目   3/20(金)

隆の勝 ー 碧山

頭で当たった隆の勝を、まともに後ろへ引いた碧山。隆の勝は引きに乗じて一気に押し出し。

優勝への意識があったのか、碧山は消極的な相撲をとってしまい2敗目。

貴景勝 ー 鶴竜

立合いで当たってから、左へ叩いていなす貴景勝。鶴竜は大関の動きにしっかりついて行き、突き押しで応戦する。
貴景勝が大勢を低くして当たった瞬間に、横綱は右の前廻しを引く。重心を落としながら左の前廻しも引いて、万全の形で寄り切り。

鶴竜は2敗となり、ついに13日目でトップと並んだ。貴景勝は6勝7敗。

白鵬 ー 朝乃山

二敗同士の一番。

すぐさま右を差した白鵬は、左を固めて朝乃山の右差しを封じながらそのまま一気に前へ押し込む。
追い込まれた朝乃山は土俵際で左へ体を開き、勢い余った白鵬は土俵を飛び出してしまうが、朝乃山の左足の方が先に俵の外を大きく踏み出していた。決まり手は押し出し。

二敗を守った白鵬が再び優勝争いの先頭に並んだ。朝乃山は3敗目となり、場所後の大関昇進に向けて1つも星を落とせない状況となった。

碧山が負けたため、二敗で両横綱、碧山の3人が並ぶ。
三敗は朝乃山、御嶽海、隆の勝。
優勝争いの行方は千秋楽までもつれる展開へ。

14日目   3/21(土)

白鵬 ー 碧山

二敗同士の直接対決。優勝争いに向けた大事な一番。

白鵬は踏み込んで碧山の出足を止めて押し込む。
両手突きで押し返す碧山だったが、横綱が左から突き落としていなし、最後は左上手も引いて上手投げ。

白鵬は過去21戦全勝とお得意様相手に星を落とさず、首位を守った。

朝乃山 ー 鶴竜

大関昇進に望みをつなぐか。それとも千秋楽横綱同士の相星決戦に持ち込むか。

右四つに組み渡った両者。先に右下手を引いた朝乃山が前へ寄り立てていくが、鶴竜も右下手を引いて持ち堪える。
右下手投げで体を入れ替えた鶴竜は、再度朝乃山が寄って出る中で左を巻き替えて両差しになり、土俵際で相手の寄りを凌ぐ。
朝乃山は右の上手投げで振るが、横綱は体を寄せていき、最後は朝乃山の上手投げと鶴竜の下手投げの打ち合いで両者土俵下へ。

協議の結果、朝乃山の左肘が先についていたため、鶴竜の勝ち。

鶴竜が二敗を守って千秋楽の結びの一番に優勝をかけることに。朝乃山は4敗目となり、大関昇進の目安である3場所33勝には届かず。

白鵬と鶴竜が共に二敗を守った。千秋楽は横綱同士が組まれるため、優勝争いは両横綱に絞られた。
千秋楽は、平成25年九州場所(白鵬 ー 日馬富士)以来の横綱相星決定戦となった。

千秋楽   3/22(日)

貴景勝 ー 朝乃山

貴景勝が押し込んでいくが、朝乃山が左下手を引いて組み止める。
前に出て攻める朝乃山は途中で下手が切れるも、左で押っ付けて押し込む。
土俵際まで追い込まれた大関は右へ回り込んで叩き込むが、朝乃山がそのまま押し倒し。

朝乃山は大関昇進の目安の星数には届かなかったが、最後に大関を倒して11勝目を挙げた。敗れた貴景勝は7勝8敗で負け越しとなり、来場所はカド番となる。

白鵬 ー 鶴竜

38場所ぶりの横綱相星決戦。

立合いで右四つに組み渡り、先に左上手を引いたのは鶴竜。白鵬は半身になって左を巻き替えるが、鶴竜も左を巻き替えて左四つに。
再度鶴竜が右を巻き替えにいくが、白鵬はそれを防いだ上で自らは右の巻き替えに成功し、両下手を引いて両差しになる。
鶴竜は右の外掛けを交えながら両上手を引き付けて、三度右を巻き替えて再度右四つに。
白鵬は鶴竜が巻き替えた瞬間に左上手を切り、そのまま前に出て寄り切り。

白鵬が巻き替えの応酬を制し、休場明けとなった無観客場所を優勝で締めた。

総括

優勝】 横綱・白鵬 翔(44回目)

白鵬が13勝2敗で、2場所ぶり44回目の優勝。 春場所での優勝は9回目。

【三賞】 

 《技能賞
  11勝を挙げ14日目まで優勝を争った碧山(初)
 《殊勲賞
  10日目に横綱・白鵬を倒した阿武咲(初)
 《敢闘賞
  12勝の好成績を収めた隆の勝(初)。

なお理事会において直近3場所で32勝ながら一人大関の現状と力強い相撲内容が評価され、満場一致により、関脇・朝乃山が大関へ昇進。
伝達式での口上は、「大関の名に恥じぬよう、相撲を愛し、力士として正義を全うし、一生懸命努力します」

来場所は、
大関・貴景勝カド番

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