令和2年九月場所(2020年秋場所)

会場:国技館 大相撲

初日   9/13(日)

白鵬は右膝の負傷、鶴竜は右肘痛の影響で両横綱共に全休。

照ノ富士 ー 貴景勝

貴景勝は頭から当たって下から突き起こし、組み止めようとする照ノ富士を押し込んで上体を浮かす。
照ノ富士は右から突き落とすが、貴景勝の左の突きを受けて、残せずに押し出し。

休場明けの貴景勝は、先場所奇跡の復活優勝を果たした照ノ富士相手に白星。

朝乃山 ー 遠藤

右差しを狙う朝乃山だが、左を固めた遠藤に防がれてしまい、逆に両差しになられる。
朝乃山はすぐさま右を巻き返し、下がって距離を取りにきた遠藤についていき、俵まで押し込む。
残った遠藤は頭を付けて左で押っ付けながら相手の右差しを防ぐが、再度朝乃山が圧力をかけて土俵際まで押し込む。
遠藤も両足が俵にかかりながら再度両差しになるが、朝乃山は左上手を引いて投げを打つ。
しかしその投げに対して遠藤は身を寄せていき、三度両差しになる。左から上手投げを打つ朝乃山の力を利用しながら、遠藤が右から足を掛けて掬い投げ。

攻め込んでいった朝乃山だったが、相撲巧者のしぶとさに屈して黒星スタート。

中日まで   〜9/20(日)

6日目に全勝力士、中日に一敗力士までもが消えた秋場所。

先頭は二敗で貴景勝、関脇・正代など9人がひしめき合う。
貴景勝は3日目の北勝富士戦では引いて墓穴を掘り、中日の栃ノ心戦は立合いの変化を食った。

次に三敗で朝乃山など5人が並ぶ。
2日目隆の勝に寄り切られ、3日目には照ノ富士に先場所の返り討ちに遭うなど、初日から3連敗。

12日目   9/24(木)

上位陣は星を伸ばし続け、11日目を終えて
二敗は貴景勝、正代、若隆景、新入幕の翔猿の4人。三敗は朝乃山、照ノ富士、阿武咲の3人。

翔猿 ー 若隆景

二敗同士の対戦。

立合いで右に変化して翔猿を押し込む若隆景。負けじと翔猿は体勢を低くして押し込み返す。
その攻めを若隆景は左から絞り、右から押っ付けて凌ぎ、翔猿よりも更に低く当たりながら右を押っ付けて前に攻める。
しかし翔猿は土俵際で左にかわしながら叩き込み、若隆景は土俵の外へ。

勝って二敗を守ったのは翔猿。若隆景は得意の押っ付けで攻めたが、詰めを誤って2敗に後退。

正代 ー 宝富士

立合いで左を差した正代。右の差し手を伺いながらどんどん前に出て寄り切り。

正代は完勝で二敗をキープして、明日から始まる上位戦へ。

なお、貴景勝は対戦相手の遠藤が休場のため不戦勝。

優勝争いの先頭は、貴景勝、正代、翔猿の3人が二敗で並ぶ。
三敗で朝乃山、若隆景、照ノ富士との対戦に勝った阿武咲の3人が追いかける。

13日目   9/25(金)

翔猿 ー 隆の勝

立合いでフワッと立ってしまい、一気に押し込まれた翔猿。
しかし土俵際で左に回り込み、相手の右の突きを引っ掛けながらいなして、俵に詰まった隆の勝の後ろについて送り出し。

翔猿は不本意な立合いながらも二桁の10勝目を挙げ、先頭を譲らず。

正代 ー 貴景勝

二敗同士の直接対決。

頭からぶちかましてきた貴景勝の当たりを受け止めた正代。
貴景勝は左から突き落とすが、正代は落ちずに相手を正面に置き、左をハズにあてがいながら大関の突き押しの威力を逃がす。
貴景勝がしゃがんで頭から当たろうとするが、正代が右から突き落として体勢を崩す。
凌いだ貴景勝は再度突っ張りにいったが、今度は左に回り込まれて小手投げ気味の突き落としにバッタリ。

相手をよく見て捌いた正代が二敗を堅守。貴景勝は攻めあぐねて三敗に後退。

朝乃山 ー 御嶽海

立合いで右四つ左上手を引いた大関が、土俵中央で上手投げ。

力強い相撲を取った朝乃山は二桁の10勝目。

優勝争いは二敗で正代、翔猿の2人が並ぶ。
三敗で両大関と、不戦勝の若隆景、阿武咲の4人となった。

14日目は二敗の両力士がそれぞれ大関に挑む。結果次第では最大6人が先頭に並んで千秋楽を迎えることになる。
優勝争いは千秋楽までもつれる展開へ。

14日目   9/26(土)

阿武咲 ー 隆の勝

阿武咲は頭を付けて左から押っ付けながら、隆の勝の突き押しを防ぐ。
隆の勝が我慢できずに引いたところを一気に攻めて行ったが、足がついていかず叩き込み。

阿武咲は4敗目。

若隆景 ー 御嶽海

若隆景は右から変化気味に突き落とすが、右を差して胸が合う展開に。
体格で勝る御嶽海が前に寄り立てていき、右下手も引いて下手投げ。

若隆景も4敗に後退。

朝乃山 ー 正代

正代が二敗を守るか、それとも朝乃山が引きずり下ろすのか。

右四つ左上手を狙った朝乃山だが、正代の強烈な体当たりに跳ね返される。
圧力をもろに受けた朝乃山は横向きになり、正代が左で立褌を引いて食いつく。
大関を半身の状態にしたまま寄り立てて、右から胸を突いて押し倒し。

正代は連日大関を倒して二敗を守ったまま千秋楽へ。会心の相撲で大関昇進のムードも高まってきた。
朝乃山は4敗目を喫して、優勝争いから脱落。

翔猿 ー 貴景勝

勝って千秋楽相星決戦に持ち込みたい翔猿。優勝戦線に踏み止まりたい貴景勝。

小兵相手に頭から突き起こせなかった貴景勝は、翔猿に押し込まれる。
貴景勝は突っ張って押し返すと、左から突き落として翔猿のバランスを崩す。
なんとか堪えた翔猿は再度攻め返そうと前に出たタイミングで、大関が叩き込み。

新入幕相手に大関の意地をみせた貴景勝は12勝目。翔猿は三敗に後退。

ついに14日目に並走の形が崩れ、二敗で正代が単独トップに。
三敗で貴景勝、翔猿。優勝争いはこの3人に絞られた。

正代は本割で翔猿に勝てば優勝決定。
翔猿は自力で正代を引きずり下ろして、決定戦に持ち込みたい。

千秋楽   9/27(日)

正代 ー 翔猿

立合いから一気に押し込んだのは翔猿。
正代は俵に足がかかっても前傾姿勢で受け止め、翔猿の引きに乗じて一気に押し返す。
翔猿も簡単には土俵を割らず、右突き落としでいなしてから両差しになる。
そこを勝機と見て寄り立てた翔猿だったが、土俵際で正代が渾身の右突き落とし。

正代が初場所の悔しさを晴らす初優勝。
また、大関昇進の目安である直近3場所33勝には1つ足りなかったが、初場所、七月場所と千秋楽まで優勝争いを繰り広げた実績も考慮されて、場所後の大関昇進が決定。

総括

優勝】 関脇・正代 直也(初)

正代が13勝2敗で、初優勝。 関脇の優勝は5場所ぶり。

【三賞】 

 《殊勲賞
  正代(初)。
 《敢闘賞
  正代(6回目)。
  新入幕ながら11勝を挙げ、千秋楽まで優勝争いを演じた翔猿(初)。

なお理事会において、直近3場所で32勝ながら初場所、夏場所と優勝争いに絡んだ実績が評価され、満場一致により、関脇・正代が大関へ昇進。
伝達式での口上は、「大関の名に恥じぬよう、至誠一貫の精神で相撲道に邁進して参ります」

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