場所前のトピック
- 大関・貴景勝、横綱昇進に挑戦
- 大関・正代、カド番
- 大関・朝乃山、カド番
初日 1/10(日)
今場所の注目は、綱取りをかける貴景勝。先場所優勝した勢いそのままに、丸4年ぶりの新横綱誕生なるか。
なお、白鵬は場所前に感染症に感染、鶴竜は腰痛の影響で両横綱共に全休。
朝乃山 ー 大栄翔
立合いから踏み込んだのは朝乃山だったが、大栄翔は突っ張って差されないようにする。
かいくぐって組み止めようとする大関だが、喉輪で仰け反ってしまい差すことが出来ない。大栄翔の回転のある突っ張りに対して最後まで防戦一方で、押し出し。
カド番の朝乃山は黒星スタートとなった。
北勝富士 ー 正代
両差しに成功した正代。北勝富士が右から追っ付けるも、構わずに前へ出て寄り切り。
正代は完勝でカド番脱出に向けて白星発進。
貴景勝 ー 御嶽海
貴景勝にとって大事な15日間が始まる。初日の相手は、対戦成績が互角の御嶽海。
貴景勝は頭で当たって突き放すが、前へ押し込むのは御嶽海。小刻みに突っ張りながら頭で当たって相手を起こそうとするが、御嶽海も頭で当たり合って重心が低い体勢を崩さない。
御嶽海が引いたところを、貴景勝はそれに合わせて押し込んでいったが、右に回り込まれる。
反対に今度は大関がまともに引いてしまい、御嶽海はそのスキに付け込んで押し出し。
貴景勝は持ち前の重い突き押しが出せず、綱取り場所の初日は黒星。
2日目 1/11(月)
貴景勝 ー 大栄翔
ぶちかましていった貴景勝だが、二の矢で頭から突き起こしにいくも相手を押し込むことが出来ない。攻めきれない中で大栄翔の突っ張りを諸に受けてしまい、叩き込みで土俵にバッタリ。
貴景勝は初日から連敗で、綱取りは非常に厳しい状況に。大栄翔は連日の大関戦勝利。
カド番の両大関は共に勝って、正代は2勝。朝乃山は1勝1敗。
3日目 1/12(火)
大栄翔 ー 正代
胸で当たる正代に対して、大栄翔は思いっきり突っ張って攻め込む。
正代は右から突き落としを狙ったが、空振り。そこを右からの突き一発で押し出し。
正代にも土が付き、大関の勝ちっ放しはいなくなった。大栄翔は大関戦3連勝。
貴景勝 ー 北勝富士
立合いでぶちかまし、相手の引きにも乗じて俵まで攻め込む貴景勝。ただ、いつものように頭から押し込むのではなく、腕だけの力で押し出そうとするため、北勝富士を土俵の外へ出せない。
堪えた北勝富士が左から絞って右からのハズ押しで、俵まで攻め返す。
なんとか左から回り込み、右から張って左から突き落すが、北勝富士は出血しながらも辛抱する。
攻めきれなかった大関は左足が返ってしまい、膝から崩れた。決まり手は突き落とし。
貴景勝は自滅で初日から3連敗。場所後の横綱昇進は絶望的。
朝乃山 ー 御嶽海
朝乃山は右からかち上げて差そうとするが、御嶽海が左を固めて跳ね返す。
御嶽海は勢いそのままに、上体が浮いた大関を電車道で押し出し。
朝乃山は1勝2敗と黒星先行。これで3大関全滅となった。
中日 〜1/17(日)
貴景勝は2勝6敗。先場所の突き押しは陰りを見せ、綱取りは疎か勝ち越しすら危うい状況に。
優勝争いの先頭に立つのは、初日から3大関を総ナメした西前頭筆頭の大栄翔。
回転のある突っ張りが冴え渡り、相手に攻め返すスキすら与えず、無傷の全勝ターン。
一敗力士はおらず、カド番の大関・正代を含む4人の二敗力士が大栄翔を追いかける。
もう一人のカド番大関・朝乃山は5勝3敗。
9日目 1/18(月)
宝富士 ー 大栄翔
初めて中日給金を決めた大栄翔。
大栄翔は立合いから鋭く突き立てるが、宝富士は左に動いて圧力を受け流す。
再度突っ張って攻めていく大栄翔だが、左半身になって受け止める宝富士をなかなか押し込めない。
焦った大栄翔は足が出ずに上体だけで押してしまい、そこを宝富士が左にかわして叩き込み。
攻め急いでしまった大栄翔は今場所初黒星。
玉鷲 ー 正代
玉鷲の右喉輪をまともに受けて後退する正代。
続けて突っ張ろうとする玉鷲だが、正代が左から突き落としてバランスを崩し、そのまま押し出し。
正代は7勝2敗となり、カド番脱出まであと1勝。
大栄翔に土がついたことで、後続との差は1つに縮まった。
しかし中日の時点で二敗だった力士の中で、9日目に勝ち星を挙げたのは正代ただ一人。
三敗は朝乃山、照ノ富士など10人が並んでいる。
10日目 1/19(火)
貴景勝が休場。夢への挑戦はまさかの2勝8敗となり、来場所はカド番となる。
北勝富士 ー 大栄翔
頭から当たって突き起こし、左の突き一本で土俵際まで攻める大栄翔。
北勝富士は右のハズが掛かって一旦残すが、しっかり足を運んで突っ張り返した大栄翔が押し出し。
足が前に出ていた大栄翔は9勝目。単独トップは譲らず。
遠藤 ー 正代
左の喉輪で正代を仰け反らせた遠藤だが、引いて呼び込んでしまう。
前に出た正代は左を差しにいったが、そのタイミングで遠藤が右からの出し投げを打つ。
正代も投げに反応して体を寄せていき、再び胸を合わせて左四つに組む。
そこから大関は強引に掬い投げを打ったが、遠藤は右上手を離さずに体を寄せていく。
相手を呼び込んでしまって後がない正代は、自ら倒れながら逆転の右から突き落とし。
物言いがついたが、遠藤の体が先に落ちており正代の勝ち。
正代は技巧派のワザを凌いで、8勝目。2敗を守ってカド番脱出。
一敗で大栄翔、二敗で正代は変わらず。
三敗力士は朝乃山、明生、逸ノ城の3人となった。
11日目 1/20(水)
阿武咲 ー 大栄翔
互いに激しくぶちかまし合ったが、二の矢の突っ張りで押し込んだのは大栄翔。
右から喉輪で勝負にいったが、阿武咲が左へ動きながら腕を手繰った突き落とし。
詰めを誤って土俵を飛び出してしまった大栄翔は2敗に後退。
朝乃山 ー 隆の勝
鋭く踏み込んで、右差しに組み止めて寄り立てる朝乃山。
土俵際掬い投げで体を入れ替えた隆の勝だが、朝乃山が肩越しに上手を引く。
隆の勝も左から追っ付けながら上手を切って一旦は離れたが、足が揃ったところを大関が叩き込み。
朝乃山は8勝3敗でカド番脱出。
隠岐の海 ー 正代
立合いで二本差した正代は、一気に前へ走る。
しかし隠岐の海は土俵を割りながらも右から突き落として、正代も体が落ちた。
正代の体が返るのが早いように見えたが、隠岐の海の左足が土俵の外に出るのと同時と見て取り直し。
《取り直し》
左四つに組み渡った両者だが、先に上手を引いたのは隠岐の海。
正代は体を開いて強引に掬い投げを打つが、再び四つに組み渡る。
再度正代が掬いにいくが土俵際まで呼び込んでしまい、隠岐の海は右からの外掛けで大関の足元を脅かしながら寄り倒した。
しかし再度物言いが付き、正代の体が落ちるよりも先に、隠岐の海の右つま先が俵を踏み越していた。
勇み足で正代の勝ち。
微妙な相撲を拾った正代がなんとか2敗を守った。
大栄翔が敗れたため、優勝争いの先頭は二敗で正代、大栄翔の2人が並ぶ格好に。
三敗で朝乃山、明生が追いかける。
12日目 1/21(木)
明生 ー 大栄翔
突き放していった大栄翔だが、明生に右の突きを手繰られる。
向き直って左喉輪で攻める大栄翔だが、明生が右から突き落として右上手を引き、横に食いつく。
勝機と見て土俵際まで寄り立てた明生だが、上手が切れてしまう。粘る大栄翔が上手く回り込みながら、左から掬い気味の突き落とし。
左足一本で辛くも白星を手にした大栄翔は、連敗はせずに10勝目。明生は4敗目。
竜電 ー 正代
立合いで両差しになった正代がそのまま前へ攻める。
両上手を引いた竜電だが、残る腰はなく寄り切り。
昨日とは打って変わって完勝した正代は、勝ち星を2桁に乗せた。
朝乃山 ー 照ノ富士
相四つの両者は、今場所も右四つに組んで上手を探る展開。
先に上手を引いたのは照ノ富士。右から腕を返しながら大関の上手を遠ざけて寄り切り。
今場所も天敵に勝てなかった朝乃山は4敗に後退。照ノ富士も8勝4敗。
正代、大栄翔の2人が変わらず首位をキープ。
三敗力士の2人は共に敗れたため、後続との星の差は2つ。正代と大栄翔の一騎打ちの展開に。
13日目 1/22(金)
竜電 ー 大栄翔
頭で当たりながら両手突きで竜電の上体を起こす大栄翔。
休まずに威力のある突っ張りで攻める大栄翔に対して、竜電は防戦一方。最後は左を差し掛けたが、右の喉輪で押し出し。
大栄翔は完勝で11勝目。
隆の勝 ー 正代
両差しを狙う正代だが、脇を固めた隆の勝に差し手を封じられる。
そこから我慢ができなかった正代は、まともに引いて隆の勝を呼び込んでしまい、土俵を割りながら叩き込み。
物言いがついたが、正代の右足は俵の上で残っていたため、正代の勝ち。
正代は11日目に続いて物言いの一番をなんとか制し、二敗を守った。
相撲内容に差はあるものの、正代、大栄翔がトップを並走。
賜杯争いは千秋楽までもつれる展開に。
14日目 1/23(土)
玉鷲 ー 大栄翔
大栄翔は頭で当たって両手で玉鷲を突き起こし、突っ張って土俵際まで押し込む。
玉鷲が右から突きを跳ね上げて大栄翔の体勢を崩したが、玉鷲が攻め返しに来たところをタイミング良く叩き込み。
大栄翔は12勝目をマークし、優勝争いの先頭に立ったまま千秋楽へ。
この時点で四敗力士の優勝は消えた。
照ノ富士 ー 正代
照ノ富士に勝って、大栄翔に並んだ状態で千秋楽を迎えたい正代。
照ノ富士の圧力を左へ動いて逃し、右を差して横に食いつき、左も差して正代が万全の体勢に。
正代が寄り立てるところを、照ノ富士は左から小手に振って凌ぐ。正代は再度寄って出るが、照ノ富士は左を首に巻いて凌ぎながら振りほどき、その後正代が二本のぞかせる格好に。
すぐさま回り込みながら右から突き落として、照ノ富士を俵に詰まらせる。
大関が後ろに食いついて送り出すかと思われたが、照ノ富士は一回転して向き直り、体勢を整える。
頭を付けて差し手を伺う両者。照ノ富士がジリジリと押し込み、正代は叩いて凌ごうとしたがバランスを崩してしまい、照ノ富士の叩き込みにバッタリ。
正代は勝機があった中で、痛恨の3敗目。照ノ富士は10勝目を挙げ、大関復帰の足固めに成功。
結びの一番の結果、二敗で大栄翔が単独トップに。正代は三敗に後退。
千秋楽、大栄翔が勝てば初優勝が決まる。
千秋楽 1/24(日)
隠岐の海 ー 大栄翔
勝てば優勝が決まる大栄翔。
立合いから回転のある突っ張りで隠岐の海を押し込んでいく。
足も運んで左の喉輪で突き起こしながら、隠岐の海に残す余地を与えず一気に突き出し。
最後に会心の相撲を取った大栄翔が、13勝目を挙げて初優勝を決めた。
総括
【優勝】 西前頭1・大栄翔 勇人(初)
大栄翔が13勝2敗で、初優勝。 平幕優勝は5場所ぶり。
【三賞】
《技能賞》
2大関(12日目:朝乃山、14日目:正代)を倒した照ノ富士(3回目)
大栄翔(初)
得意の肩透かしで土俵を魅せた新入幕の翠富士(初)
《殊勲賞》
大栄翔(3回目)。
来場所は、
大関・貴景勝、カド番。
先場所13勝、今場所11勝を挙げた関脇・照ノ富士が大関取り挑戦へ。
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